最高裁判所第一小法廷 昭和31年(あ)3385号 決定 1957年4月25日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人平林真一の上告趣意第一点について。
被告人は、他の相被告人に対する追徴の言渡の有無に拘らず、関税法一一八条二項により他の相被告人と独立して、本件追徴の言渡を受ける責任を免れるものではないと解するを相当とする。それ故、所論は違憲をいうが、結局相被告人に対する原判決を非難するに帰し、被告人に対する原判決の失当を主張するものとは認められない。所論は採るを得ない。
同第二点(追加上告趣意を含む)、第三点について。
論旨は違憲をいう点もあるが、その実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(本件輸入免税申告書を偽造した所為に、刑法一五九条一項を適用すべきであるとした原判示は正当である。)
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫)